七月は大学生のトップシーズンだ。

 就活、テスト、レポートにサークル活動、それから卒論に向けた準備。

 すべてがちょっとずつ忙しい。

 特に私のように微妙に取得単位を残してしまっている大学4年生は気を抜くことが許されない。

 それでも、七月が終わればあいつはやってくる――そう、八月、すなわち夏休みが。

『はるちゃん、見て!』

 最後のレポートはなんと紙ベースでの提出だった。

 何とか書き上げたブツを教授のレポートボックスに投函して帰宅すると、ヒメムラサキがポーズを決めて出迎えてくれた。

 ふだんの白いノースリーブのそっけないワンピース姿ではなく、アロハ柄のご機嫌なフリルがたくさんついたリゾート気分なワンピースになっていた。

 夏休みって感じだ。

「どうしたの、それ?」