あのおじさんの言うことは、正しかったのかもしれない。


そう思ったと同時に、私はゆっくりと目を覚ました。

胃の中はまるでマグマがグツグツと煮立っているような、不快な感覚。今にも吐きそうになって、思わず嗚咽をこぼした。

激しい濁流のように私の中に流れる血は心臓に向かって勢いよく駆け流れ、それに伴って心臓がドクドクという音を立てている。その音を肌で感じながら私は、これは私が生きているという証でもあると思って、思わずきゅっと胸に両手を当てた。

パジャマはびっしょりと汗をかいていて、それが体にぴったりとへばりついている様子がとても気持ちが悪い。

私は一度ぎゅっと目を強く瞑った後、ゆっくりと起き上がった。


「あれはきっと、夢じゃない。ううん間違いなく、夢なんかじゃない」


思わずそうつぶやくほど、今回見たものは今まで以上に現実味を帯びていた。だって、今までは記憶がどこか途切れ途切れだったけれど、今回のものはそうじゃない。

私は全てを記憶していた。


最後に感じた後頭部の痛み。あの痛みに触れようとでもするように、私はそっと片手でその痛みを感じた場所に触れた。……けれど、そこには痛みどころか、瘤もなければ、何もない。

あれだけ強く打ち付ければ瘤どころか出血が伴ってもおかしくないのに、そこにはなだらかな丘を想像させるような私の慣れ親しんだ平常な頭部があるだけ。