そもそも私はなぜ同じ日を繰り返してるんだろう。タイムリープなんて映画や漫画の中だけの話だと思ってた。

どうやってタイムリープをしてるのかは分からないけど、私は何度もバッドエンドを繰り返してる。だからそれを回避するためにタイムリープを繰り返してるのだと考えれば、きっとこれはうまくいくはずだ。

そう自分に言い聞かせていた時、陸橋の麓までやってきていた。


「登るぞ」

「うん」


私は陸橋の1段目に足をかけた。これが私のバッドエンドから回避する最初の一歩になるのかもしれない、なんてことを思いながら、私は陸橋の一番上を見上げた。


「ちゃんと捕まえれるのかな」


思わずこぼした言葉を聞き逃さなかったケンが、背後に意識を向けながらもアゴで陸橋の上を指した。


「カヨ、見てみろよ。多分あの立ち止まってる人達は警察官だと思うぞ」

「なんで分かんのよ」


陸橋の上には四人が歩いている。一人はスマホで電話して、一人は上から車道を見下ろしている。他の一人は今から登ろうとしていて、最後の一人は陸橋の上を歩いて渡ろうとしているところだ。


「立ち止まってる二人はイヤホンしてるだろ。あれで他の警察官と連絡取り合ってるんだと思うし、警察官って大抵二人で行動してるから上で立ち止まってる二人がそうなんだと思う」

「なるほど」


私は男性二人をまじまじと見た。一人は背を向けて電話をしている様子だからわかんないけど、中年のおじさんともう一人は20代って感じの男性だ。


「ちゃんとあのおじさんもついてきてる?」

「ああ、来てる」

「登ってくるかな?」

「間違いなく登ってついてくるだろうな。この陸橋はでかいし、陸橋なしで渡ろうと思ったら下の十字路を渡らないといけない。けど、陸橋があるせいで歩いて渡るには大回りをしないといけないからな」


私達が陸橋を登りきったところで、じっと下を見下ろしていた中年の男性が私達をじっと見てる。私達もその人から目を逸らさずにいたら、声をかけて来た。