1つ目の夢は日にちをちゃんと覚えてないけど、でも2つ目の夢で私は同じ日付だったと感じていた。1つ目の内容をあまりに覚えていなかったせいで確証がなかったけど、今なら言い切れる。バラバラだったパズルのピースが少しずつ揃ったことで、今まで見えなかった全貌が少し見えたから。


「それって今日って事だよな」


ケンはパソコン画面に表示されている日付を見てそう言った。私はそれに対してゆっくりと頷いた。


「ねぇ、どう思う? こう言うことってあるもんなのかなぁ?」


正直今もこうしている状態が現実だっていう確証はないわけで、私はどこかこの光景がまた繰り返されるんじゃないかって思ってる。

何が現実で何が夢なのか。


「タイプとしては2つじゃね?」

「タイプって?」

「予知夢なのか、お前が何度もタイムリープしてるか」


ケンはまじまじとした表情なのに、言葉が非現実だったものだからそのギャップに私は一瞬頭を金槌でゴツンと叩かれたような感覚が走った。


「……えっ?」

「なんだよ」

「ケンの口からそんな非科学的な言葉を聞く時が来るなんて思ってなかったから」


だってそういうのってマンガや映画の中だけの話でしょ? ケンってどっちかといえばロジカルな人間だし、ケンパパの影響でなのか科学的に根拠がないと信じないというか。

なにせケンパパが科学者だし。


「現実的ではないってだけであり得ない話ではないからな」

「そうなの?」


現実的ではないけどあり得なくもないって発想にまず疑問なんだけど。でも、ケンが私の状況を信じてくれるのならなんでもいいと思った。