「カヨ、モールで靴買うのはいいけど、まだどこも店開いてないぞ?」
「そうなんだよね、それまでどっかで時間潰したいんだけど、どこがいいかなぁ?」
ポケットからスマホを取り出して時間を確認したら、8時半になったところだ。もうすぐ授業が始まるんだなーなんて思いながら、私はことりちゃんを思った。
「ねぇ、ケン。今日の朝一の授業ってなんだったか覚えてる?」
「なんだよ、やっぱ学校に行きたいのかよ」
「じゃなくて、授業がなんだったか気になって……体力テストとか、じゃなかったよね……?」
恐々と私はケンの顔を覗き込んだ。するといつもの澄ました顔で、ケンは首をひねってる。
「あー、担任がそんな話いつかしてたな。それ今日だっけ?」
「こっちが質問してるのに、聞き返さないでよ」
「はー? 覚えてねーんだから仕方ないだろ。ってかカヨも覚えてねー癖して逆ギレしてんなよ」
ケンに聞いたのが間違いだった。私はことりちゃんにメッセージを送ることにした。夢の中でことりちゃんは体力テストで怪我をして、学校の帰りに車に轢かれた。
さっきまで夢と現実がとても似ていて頭がごっちゃになっていたけど、あの出来事と同じことが起きてるわけじゃない。さっき自転車にぶつかりそうになったのも私の不注意だし、今日はスニーカーじゃないし、靴紐だって切れてない。
ローファーの靴底が剥がれたことや、あの怪しいおじさんと遭遇したことは考えないようにして、私はひとまずことりちゃんに今日学校を休むと報告のメッセージを送った。
きっと学校に来なかったらことりちゃんが心配したメッセージが届くだろうし、そう思って。
「そうなんだよね、それまでどっかで時間潰したいんだけど、どこがいいかなぁ?」
ポケットからスマホを取り出して時間を確認したら、8時半になったところだ。もうすぐ授業が始まるんだなーなんて思いながら、私はことりちゃんを思った。
「ねぇ、ケン。今日の朝一の授業ってなんだったか覚えてる?」
「なんだよ、やっぱ学校に行きたいのかよ」
「じゃなくて、授業がなんだったか気になって……体力テストとか、じゃなかったよね……?」
恐々と私はケンの顔を覗き込んだ。するといつもの澄ました顔で、ケンは首をひねってる。
「あー、担任がそんな話いつかしてたな。それ今日だっけ?」
「こっちが質問してるのに、聞き返さないでよ」
「はー? 覚えてねーんだから仕方ないだろ。ってかカヨも覚えてねー癖して逆ギレしてんなよ」
ケンに聞いたのが間違いだった。私はことりちゃんにメッセージを送ることにした。夢の中でことりちゃんは体力テストで怪我をして、学校の帰りに車に轢かれた。
さっきまで夢と現実がとても似ていて頭がごっちゃになっていたけど、あの出来事と同じことが起きてるわけじゃない。さっき自転車にぶつかりそうになったのも私の不注意だし、今日はスニーカーじゃないし、靴紐だって切れてない。
ローファーの靴底が剥がれたことや、あの怪しいおじさんと遭遇したことは考えないようにして、私はひとまずことりちゃんに今日学校を休むと報告のメッセージを送った。
きっと学校に来なかったらことりちゃんが心配したメッセージが届くだろうし、そう思って。