あれって夢だったんだよね……? 夢の記憶はいつも覚えていないはずなのに、今回に関してはかなりの記憶が残ってる。それに、夢の中でも夢を見てた。それはデジャヴと感じる共通点が多い夢だった。

ちゃんとは覚えてないけど……でも最後は違った。一度目は私がトラックに轢かれる夢、二度目は私の友達ことりちゃんが轢かれる夢。


今は現実なんだよね? それともこれも、夢なの……?


「いててっ!」


私は両方の頬を強く引っ叩いた。痛い。シャワーを浴びながら、壁の取手にかけたシャワーノズルを見上げて、ゆっくりと目を閉じた。

このシャワーも温かい。うん、ちゃんとそう感じてる。夢じゃない。


「やっと終わったのかよ」


シャワーを終えてリビングに行くとケンはお母さんの前に座って朝食を食べていた。

トーストと目玉焼き、ウインナーとコーヒーという毎朝同じような献立の朝食に私のお腹はグゥと根をあげた。


夢と同じ光景。そう思ったけど、私はすぐに首を振った。

夢と同じだけど、そもそもこんな光景はいつも見てる。朝食は大抵同じだし、ケンがこの家にいるのも、リビングで態度でかくしている様子もいつもの日常だから。