「じっとできるなら、だけど。とりあえず予定は入れないで仕事が終わったらまっすぐに家に帰って、おとなしくする。さっきも言ったように夢は心と体のバランスを整える為にみるものなのだから、もし悪い夢だったとしてもそれが実際は悪い意味じゃなかったりするのよ」


でも私の場合は悪い意味だと思う。先生の話だと夢は心と体のバランスを整えるためにみるのと、何かの忠告のようなものって発想だけど、私の場合は違う。だって同じことが起きてるんだもん。

それも一度や二度じゃない。


「人間の脳は賢いけれど、当てにならないものなのかもしれないわね」

「どういう意味ですか」

「同じ光景を見たことがあるって感じても、実際はそう感じてるだけで違ってることもあると思うの。だからそんなに思い詰めないで、一時間目はとっくに始まってるから、奥で少し寝ていきなさい。授業が終わったら起こしてあげるから」


先生に促されるように、ついて行くと奥にはベッドが3台並んでいた。どれも白を基調とした病院を思い出すような簡易なベッド。

私はその一つに寝そべって、頭からシーツをかぶった。


考えすぎなのかな……。夢の内容だってろくに覚えているわけじゃないし、きっと偶然重なって、そう思ってるだけなのかも。

モヤモヤとした考えを押し遣るようにして、私は瞼を閉じた。