「はい、できたわよ」


先生がテープでガーゼを留め終えた後、私はやっと鏡を見た。壁に掛けられた鏡に映る自分の姿がみすぼらし過ぎて、泣けるどころか滑稽だった。


「種田さん、立てる? 膝、かなり腫れてるから少しベッドで休んで行く? もう授業始まってるから次の授業まで寝ててもいいけど、もし教室に戻れるのなら先生が付き添っていってもいいわよ。その足で一人で歩くのは大変でしょ?」


次の授業ってなんだっけ? 私の不得意とする歴史だった気がするな。


「じゃあ少し寝ててもいいですか? 結構足がジンジンしてるので、少し休んでから教室に戻ります」

「そう、じゃあそこのベッド使っていいわよ」


先生は私の腕を掴んでゆっくりと立ち上がらせてくれて、そのままベッドへと誘導してくれる。正直一人でも歩けるけど、ジンジンとした痛みが結構つらい。これ、寝てても痛いじゃん。


「その腫れてる方の足、少し上げて寝た方がいいわね」


そう言って先生は腫れてる方の足にクッションを置いてくれた。


「休み時間になったら起こしにくるから、それまでゆっくりしていなさい」

「はーい、ありがとうございます」


先生はベッドの周りにカーテンを引いて、そのまま隣の部屋へと移動した。

私は真っ白な天井にできたシミを見つめながら、ジンジンする足の痛みを脳内から押しやった。


今日の私、マジでついてない。