「うげぇ……っ!」


心臓を絞られるような感覚の中で、私は目を覚ました。


「うぇっ、げほっ……」


内臓をミキサーでシャッフルされたような、そんな気持ちの悪さが私を襲っていた。起き上がろうとしても体が重く、まるで何かで体をベッドに縛り付けられてるんじゃないかって思えるほど、指の先を動かすのすらかなりの苦労が必要だった。


「うっ……ううっ……!」


苦しい。なんで私だけこんな思いをしなくちゃいけないんだろう。私が一体何をしたっていうのだろう。

私はぼやける視界の中で、天井を仰いだ。いつもの景色、いつもの私の部屋。

何度も死んで、もしくは親しい誰かが死ぬ瞬間に立ち会って……こんなの、地獄じゃないか。

生きながらえながら、いつもの景色の中、いつもの生活の中で私は、地獄に落ちていく気がした。


「佳代子、いつまで寝てるの。とっくにケンちゃんは迎えに来てるわよー」


お母さんのそんな声が聞こえたのを合図に、私は重たい体を持ち上げた。上体を起こした瞬間、立ちくらみのようなめまいに襲われて、再び胃の中の気持ち悪さから嗚咽をこぼした。


行かなくちゃ。


くらくらとまだ視界が定まらない中、私の意思だけははっきりとしていた。


未来のケンに会いに行かなくちゃ。