その言葉に俺はバッと振り向いた。
オレンジジュースの入っているコップを持つ手は、微かに震え、目に溜まる雫を溢さないようにしているようだった。
本音を言えばそんなこと思ってなかった。
ただ歯止めが利かなくなっただけだった。友達に馬鹿にされているように感じて。
そういえばよかった。
迷惑だ何て思ってない。
可愛くないだなんて思ってないって。
そう後悔したときにはもう遅かった。
「最低……――っ」
その言葉が俺に向けられたものなのか、俺の友達に向けられたものなのか分からない。
ただ、一つ分かるのが。
俺はひどく吉川さんのことを傷つけたことだけだった。