「……っ」
 

土の汚れがついた手紙が数枚、箱の中から責めるように私をにらんでいる。丁寧に敷かれていた新聞紙もよれて、中はすっかり、グチャグチャだ。


『宝物は新聞紙の下に入れて、隠そうぜ!』


宝物が盗まれると困るから……なんて、そんなことが起きるはずもないのに。

手紙の下に隠すように入れられていた宝物まで顔を出して、胸が罪悪感に覆われた。


「……なんなのよ」


ぽつりとつぶやいて、拳を強く握り締める。

逃げるようにタイムカプセルから視線を逸らすと、唇を噛み締めた。

鼻の奥がツンと痛んで、自然と呼吸が速くなる。

タイムカプセルなんて、もうどうせみんなは忘れてしまっていると思うのに、なぜこんなに胸が苦しくなるのだろう。


「みんなのものが、なくならなくてよかった」


手紙についた土を手で払いながら、ロクはわずかに息を吐いた。

その時、ふと彼の斜め後ろに転がっているものが目について、私は思わず眉根を寄せる。