▶ 十年前の、僕らの約束





「イチコー! 遅刻だぞー!」


遠くで、大好きな友達のひとりが私を呼んだ。

顔を上げれば見慣れた光景が、目の前には広がっている。

桜が散って、緑の揺れる校庭。

小学校の裏山にある小さな神社の、一番大きな木の根元。

私は宝物と自分宛ての手紙を抱えて、約束の場所に向かって走り出した。