葉月君はそのまま、1段飛ばしで階段を降りていってしまった。 「ねえ、俺さ昼飯食ってないから食ってもいい?」 右手に持っていた某ドーナツ店の袋を持ち上げながら、片方の手でお腹を摩る彼は子供のように無邪気に笑った。 「うん」 そんな彼の笑顔を見ると、いつだって私もつられて笑顔になってしまうのが不思議だ。