模擬店で事前に購入した金券を使って食べ物を買い、文化祭のため出入り禁止となっている5階へ続く階段に二人で座った。



「結構歩いたから疲れたねー」

「そうだな」

「葉月君と莉奈っていつから幼馴染なの?」



あー・・・、と過去を遡るかのように何処か遠くを見つめながらパンを一口頬張る葉月君。

彼の瞳には今、何が見えているのだろうか。



「小学生、からかな。アイツが転校してきてそこからクラスが今までずっと一緒なんだよ。それに加え家も近所でさ、腐れ縁って奴だ」

「へー・・・じゃあ結構長いんだね」

「まあな」


一つしたの階から聞こえる賑やかな声だけが、しばらく二人の空間に流れた。


その空間を変えたのは葉月君だった。