いつかはバレてしまう事なので彼から借りた事を包み隠さず話した。



「へー・・・。日向大地も優しいとこあるじゃん。メールは?してるの?」

「うん、一応ね」

「恋に無縁だった美空もついに彼氏候補ができるとはねー」

「・・・恋、か」



本音を言えば彼のことが好きかどうかはわからない。けれど日向君が関わると何かと私の心臓は音を立てる。



「好き、なのかな」

「・・・例えば、もし日向大地とこれからメールできなくなるとしたら?」

「・・・嫌、かな」


毎日続いてるメールが途切れてしまうのが正直怖い。だから寝落ちしたフリをしたりして、何とかつないでいるのだ。



「日向大地が他の子と文化祭回ったら?」



彼の笑顔が、たった一人の女の子だけに向けられる。それは“学年の人気者”としての笑顔ではなく“男の子”として向ける笑顔。


あの屈託のない笑顔が、たった一人の子のものになってしまう。


そう考えたら握り締めていたタオルに入る力が強くなった。