学年主任の神谷先生にこっ酷く怒られ、何度も誤ったものの結局明日の朝の罰掃除は免れる事はできなかった。



「珍しいじゃん美空が遅刻なんて」



教室に戻るともうSHRは既に終わっていた。ホッと一息ついて教室に入るとすぐに莉奈が私のところへやってきた。


「遅刻なんて初めてしちゃったよ」

「雨だから?」

「寝坊しちゃって。へへ」

「大変だったね。明日頑張って!」

「うん。朝早いのやだな~」


でも、日向君いるんだよね・・・。

そう思うと嫌なはずの罰掃除も、なんだか楽しみに思えてきた。



「あれ、これ誰の?美空のにしては見たことないタオルだけど」



莉奈が指差す先にあるのは、私の手に握られている先ほど日向君から借りたタオルだった。