な、何て返信しよう・・・!


ジーッとスマホとの睨めっこが続く。


そうだ、好きな曲とか聞いてみようかな。

あ、でも日向君は部活で疲れてるからメールをやっぱり今日で終わらせたほうがいいのかな。


なんて。


自問自答を繰り返していくうちに、時計の針はあっという間に進み、私の眠気もピークに達した。




―――――――――・・・
―――――・・・



「やばい・・・!遅刻する・・・!!」



これでもか、っていうぐらい全速力で自転車のペダルと漕ぐ。



昨日遅くまで起きてたせいで寝坊してしまった私は今、1分も無駄にできない状況。



しかもアスファルトを強く打つ雨のせいで視界は最悪。カッパを着ていても雨が顔に当たり悲惨な状況。



お願い・・・!間に合って・・・!!!





何とか駐輪場に入り、急いでカッパを脱ぐ。そこにはもう数人しかおらず、設置されている時計の針はあと3分で予鈴を鳴らそうとしていた。



まずい!ここまできて遅刻するわけにはいかない!



ボサボサの髪の毛を整える暇もなく、駐輪場を後にしようとすると。



「っ」



そこには、私同様遅刻しそうな日向君の姿があった。