扉を開けると、一瞬目を見開いた日向君。どうやら口にはガムか何かを含んでいるようで、手にはそのゴミが。


彼はドアの近くのゴミ箱に私と目を合わせながらそれをそのまま捨てた。


なに、と言わんばかりの彼の視線。一瞬頭が真っ白になるも、これは言うしかない。



「昨日はメールありがとうね・・・!」


緊張のあまり早口になる言葉。


あー・・・もうっ!私のバカ!


なんて心の中で言いながら彼の反応を待つ。



「・・・おうっ!」



白い歯を見せた彼は、そのまま私達の横を通り抜けて、廊下にあるロッカーに行ってしまった。



「カッコ、いい・・・」



ニヤニヤする莉奈の耳元で呟いた言葉。それが彼に聞こえてただなんて知らずに、ただただ彼の先程の様子が頭に浮かんでた。