「いーっよ!やめようって!」


そう言いながら莉奈の手を引っ張るも、進むことをやめない。

逃げようにも莉奈が私の手首を掴んでいて逃げれないのだ。



「だーめだって!やっぱりちゃんとお礼言わなきゃ!」

「意味がわからないよお礼だなんて!」

「“昨日はありがとう”って言うの!」



私の話なんか聞いちゃいない莉奈はグイグイとC組に私を引っ張りながら近づいていく。


あまりの力の強さに、反抗するもスリッパが脱げそうになる。


しかしお構いなしの莉奈。気が付けばもうC組の前だ。


「日向大地は・・・っと」



お昼休みのC組。扉が閉まっているため、窓の外から必死に探す莉奈。私が逃げないようにとまだ手首を掴んでいる。



「あ、いた!!」