その一言に、今度は日向君が停止した。瞬き一つせず、瞳に私を映し出す。


そんな彼に体の体温が一気に上昇していくのが分かる。今の私は絶対に真っ赤な顔をしているに違いない。



「・・・・・・え?」


私の精一杯の告白を、日向君は信じられないようだ。

それは私も同じだけれど、ここで信じてもらえなかったら、また莉奈と葉月君に怒られちゃうよ、私。


「だって、え…?去年の体育祭の時、好きな人って借り物で葉月つれてったのは…?」

「だって日向君連れてったら…私の気持ちバレちゃうと思ったから…って、どうして私の借り物の内容知ってるの…!?」


もういろんな事が頭の中で混ざり合って、何が何だかわからなくなる。

開けた窓の外から大きな笑い声がここまで聞こえてきた。



「相川さんのポケットから落ちた紙を見たんだ…」


日向君の言葉に、バラバラだったパズルのピースがキレイにはまっていく。


私は瞳に溜まるものを必死に溢さないように堪えながら、首を横に振る。



「違う…違うよ…っ。私は、ずっと…っ日向君の事が――――」