「・・・え?」
一歩。また一歩と近づく日向君。
そして二人の上履きの距離は、50センチほどになった。
「俺が、初めて5人で放課後に遊んだ時に“平松はすごい”って言ったの覚えてる?」
必死に過去のページを辿る。古びることをしらないそれは、すぐに見つけ出すことができた。
「俺にはそれができなかった」
「・・・」
「相川さんが他の男と話すのが嫌だった。まして、葉月と話してる所を見ると彼氏でもないのに嫉妬でどうにかなりそうだった。二人は両想いだと思ってたから尚更葉月にヤキモチ妬いてて」
「・・・ぇ」
「俺は平松みたいに、好きな奴が他の男と仲良くしてるのを見て平気でなんていられなかった・・・っ」