そこに立っている人物に、少し驚きつつも口元は緩んでしまう。


「…きてくれて、ありがとう日向君」

「…おう」


久しぶりに見た、日向君の癖。

きっとそれは、緊張してる時や、恥ずかしい時にするんだね。髪の毛をクシャッて触るのは。


「…あ」

私の呟いた言葉に、一度は視線をこちらに向けるも、すぐに私の視線の先に瞳を移した日向君。

「時計、直ってるね」

「だな」


2と4を指していた針は、いつのまにか世界と同じ時を刻むように直されていた。



「あのさ、今日は俺も言いたいことがあって来たんだ」