気が付けば口が、声が勝手に動いて出ていた。

自分の声が耳に届いたとき、内心驚いたが言ってしまったものを今更引っ込めることはできない。


振り返った日向君の表情は、1階が暗いためハッキリと見ることはできなかった。もう一度スカートに皺が出来るんじゃないかって言うぐらい、強く握り締める。






「卒業式の後・・・最後の、放課後…!」




もう2度と、過ごすことが出来ない放課後に、どうか、お願いです。





「校舎5階の、いつもの教室で待ってます・・・!」



どうか、止まっていた青春(カコ)が、動きますように…。