「美空ー次ラストの授業!」

「あ、ごめん!先行ってて!」


友達の返事を背に、ノートを取りにロッカーへと向かう。

高校生活最後の授業は地理だ。多分ノートなんてもう必要ないんだろうけど、一応ね。


階段を降りて、角を曲がると。




「、」


少し離れた所にある人影に、思わず足を止めそうになった。それはこちらに向かって歩いてきている。しかし止まるわけには行かず、一旦呼吸を整えてから歩き出す。



「・・・」

「・・・」




誰もいない廊下に、日向君と二人きり。