始業のチャイムが静かな廊下に鳴り響く。文系の莉奈とはクラスが離れているため、莉奈はそのまま小走りで教室に戻っていった。


私も急いで自分の教室に戻り、席に着く。暖かい空気が全身を包み込んだ。だけどいくら暖房がきいているとはいえ、足元は寒くブランケットをかけ次の授業を受ける。




―――伝えなかったその想いは、どこへ行くの?





莉奈の言葉が頭の中からはなれない。もう何度リピートしただろう。


そう言った時の莉奈の瞳は、何かを必死に訴えているようにも見えた。







私の日向君への想いは、どこへ行くんだろうか。