莉奈がそんな事する子じゃないって。

平松君がそんな事する人じゃないって。

5人で過ごす日々の中で、そんなの分かっていたの。

だけど、どうしても自分の感情がセーブできなくて、行き場の無いあの想いをどこにもぶつけられなくて、その矛先を莉奈に向けた。


だから、悪いのは私でもあるんだ。



「今更って思うかもしれないけど・・・やっぱり卒業前に美空に気持ち話したかったの」


それから、と莉奈は言葉を続ける。



「美空、もしまだアイツの事が好きなら――――、気持ちは伝えるんだよ?」


「っ」


「伝えなかったその想いは、どこへ行くの?」