寒い廊下で二人、横に並んで壁に背を持たれかける。息を吐けば、それは白く染まっていた。そんな気温に、生徒は誰一人廊下に出てはいなかった。



「莉奈、専門受かったんだよね。おめでとう」

「・・・ありがとう」



あの頃より少し引きつった笑顔の莉奈。そんな表情をさせてしまった原因は、私にある。


「あのね、美空」

「うん」

「あたしね、ずっと美空に謝りたかった」

「・・・」

「あの時―――去年の、バレンタイン。あの二人が付き合ってるって、知ってて確かに美空にチョコしなよって言った。でもね、それは何も美空をあざ笑うわけじゃない・・・!」



そんなの。



「まだ付き合ったばかりだったって聞いたから、だからまだ今なら渡せば間に合うかもって思って。だから、その、美空の事あざ笑ってたわけじゃないの・・・っ」








分かってるよ。