彼の言葉に、しばらくの間固まっていたが、私は小さく頷いた。


惨めだと思われてもいい。無謀だと思われてもいい。だけどそれが私の本当の気持ちなんだ。



「辛かったな」



その一言は、私の涙腺を崩壊させる原因となる。


葉月君は優しく頭を撫でてくれた。優しい瞳で、静かに微笑む彼の姿が瞳に映る。それを見たら一つ、また一つと涙が頬を伝い始めた。



「す、きだった・・・のに~っ・・・」





分かってたはずなの。


日向君は学年の人気者だって。私と毎日メールをしてたことだって彼にとっては他の子にするのと同然の事で。


なのに、心のどこかで“もしかしたら”なんて期待してた私が悪い。



だけど、だけど、あのキスは他にいい用が無いじゃない。それでも期待するなっていうの?



ねえ、日向君。



私、今でも好きだよ。