すると。


「大地、大丈夫だったかー?」


扉が開いたかと思うとそこには平松君の姿が。


「あ!莉奈!」


その後ろには莉奈が隠れていた。二人は保健室に入ると近くにあったい椅子に腰掛けた。



「うわー日向大地、派手に怪我したね」



莉奈は躊躇することなく、日向君の右手を掴んでマジマジと見た。

そんな強く握ると結構痛いと思うんだけどなぁ・・・。



「え、ちょ、なんで俺フルネームなの?・・・って、おい!!痛いわ平松の彼女!!」

「アンタこそその呼び名は何よ!あたしには中野莉奈っていう名前がありますー!その代名詞やめてちょうだい!」

「うおおー!いってぇぇ!!平松やめさせろ!」



この二人は接点が何もなかったのだろうか。何も無かったにしては、テンポ良く話をしている感じがする。


莉奈の気さくな性格からか、彼のフレンドリーな性格からなのか分からないが、何の壁も無く話している二人。



「莉奈そこまでにしとけ」



平松君の仲介が入り、やっと手を離した莉奈。痛がる日向君を見て楽しんでたに違いない。