二人が話している所を通らなければ、下駄箱に行くことはできない。



遠回りになっちゃうけど、2階から反対側の階段で降りて行こう。




3年生のいない長い廊下。空っぽの机が綺麗に並べられている教室。物音一つしないここは、3年生がいなくなって、まるで泣いているようだった。




―――――――キーンコーンカーンコーン・・・





聴き慣れたチャイムが、静かなここに響き渡る。廊下の半分ぐらいにきて、その音に立ち止まった。




泣いているのは、私の心の方だ。