「よーっす大地!」

「はよっす」



廊下から聞こえた日向君の声。たったそれだけなのに、全神経がそちらに集中してしまう。



「美空・・・」



そんな私を見た莉奈の心配そうな声が耳に届く。



「あ、ごめんね。大丈夫だから」



なんて口では言ったものの、その日一日その事が頭の中から離れる事なんて一度も無かった。