「莉奈ー帰ってきたなら早く買ってきたお醤油持ってきてよね。夕飯の支度できないでしょ」
痺れを切らしたお母さんが玄関までやってきた。あたしは返事をしてそれを渡す。
「先にお風呂入っちゃってね」
「はーい」
なんて返事をしながら自分の部屋に入り、電気もつけずにベッドにダイブする。
修学旅行で止まったホテルに比べて幾分か柔らかいそれに沈む身体。
「ありがとう、か」
健人を想っていた時間が、たったその5文字で報われた気がしたんだ。
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