気が付けばあたしの家の前に付いていた。ゆっくりと歩みを止め、身につけていたジャージと手袋を返す。



はい、と触れた手は、とても冷たかった。


まあその原因は、あたしが奪ったからなんだけど。




「ばいばい。また明日」




玄関の扉を開く。中の光が、やけに眩しく感じる。

家の中からお母さんの「おかえりー」という声が聞こえてきた。



「っ、莉奈・・・!」