バレンタインなんていつも得意げに自慢してきて。 それが悔しいからあたしからは絶対にあげなかった。 『莉奈はくれねーの?』 『そんなにあれば十分でしょ!』 『・・・俺は10個チョコを貰うより、莉奈の1個のほうが欲しいの』 『・・・』 無邪気な笑顔にいつだってあたしは、負けてきた。 「健人・・・!」 そんな幼馴染が、泣いている。目を真っ赤に腫らしながら。