「・・・わりぃ・・・」
「う、ううん・・・」
確かにこんな時に一人にしておいてほしい、というのが普通かもしれないしちょっと不謹慎だったかもしれない。
けど。
「悪いけど、今は「一人にしないよ」
だって、今にも消えちゃいそうなくらい、その背中が小さく見えるんだ。
「嫌だ、って言っても私は葉月君の傍を離れない」
「っ、このわからず屋が・・・っ」
ドンッ、と強い音が静かなここに響き渡る。
近い葉月君の顔。だけど決して視線を逸らさない。腫れた目は、とても不安げな色を隠せずにいた。
「俺のところじゃなくて、大地の所にいけよ・・・っ。俺がアイツの夢を台無しにした。アイツのほうがショック受けてんだ。アイツもそれを望んでんだ・・・っ」