その声―――琴美ちゃんの声に応えるかのように、日向君はシュートを打った。
それは綺麗にゴールに吸い込まれていき、ゴールネットを揺らしたと同時に、観客席が歓声に包まれた。
「やった!やったよ、美空!!!日向大地が決めたよ!!!」
隣で喜ぶ莉奈に、何とか笑顔を繕って返事をする。
嬉しいのに、心から喜ぶことが出来ないのは私の応援が届かなかっただろうか。
・・・違う。日向君が琴美ちゃんの声に応えたと思うと、それがどうしようもなく嫌なんだ。
ピ――――――ッ。
試合終了のホイッスル。
しかし、彼等のステージの幕はまだ降りない。
「PKだ・・・」