顔にペンキがついていることをすっかり忘れていた私達は、ペンキ缶を葉月君に任せて早足で水道へ向かう。


「水性でよかったね」

「うん、すぐ取れるもんね」


冷たい水道水でペンキを洗い落とし、タオルで顔を拭いていると、楽しそうな笑い声が後ろから聞こえてきた。


振り返るとそこには2-Cと書かれたプレートのクラス。


教室内では“彼”を中心に男女が楽しそうに笑いあっていた。



「やっぱ日向大地がいるから賑やかだね、C組は」


「うん。あの人がいるだけで教室の雰囲気がガラッと変わるからビックリしちゃう」