これが、最後のチャンスになるだろう。 審判が腕時計を確認した。 まって、まって。 まだ、まだ、彼らのステージの幕を下ろさないで。 スポットライトの役割を果たしていた太陽が、厚い雲に覆いかぶさられ、私達の前から姿を消した。 「・・・、」 酸素をこれでもかってくらい肺に溜め込む。 届いて、私の声。 日向君へ、届いて―――――― 「―――大地っ!!頑張っ「大地先輩!!!!お願い、きめてっ!!!!!!」