「あ・・・!」


ロスタイムの時間が表示された。



「3分・・・」




サッカーの事を詳しく知らない私にとって、それはとても短く感じた。

しかし、その3分の重さは、選手達にとっては計り知れないものだろう。


相手チームは守りを強くするどころか、どんどん攻めて来る。


時間稼ぎをするつもりは微塵も無さそうだ。





「健人ぉぉぉぉ!!!!いっけぇぇぇぇ!!!!」



相手チームからボールを奪ったのは葉月君。

ドリブルでどんどん相手を交わしながら、ぐんぐんあがっていく。

そして。





「・・・!!」


大きく蹴り上げたボールが、日向君へと渡った。