日向君の背番号10番を探す。
・・・・・・・・・いた。
エース番号である10番を背負っている彼は、今どんな気持ちであそこに立っているのだろう。
せめて一言、頑張れだけでもいい。メールを送ればよかったな。
今更後悔してもしょうがないことだけれど、それでもそう思わずにいられなかった。
「あ、」
「危ない!」
相手高がクロスをあげ、それに合わせ一人がシュートを打った。しかし、相手が打ったシュートは大きく上に反れる。
安堵の声が周りから聞こえてくる。
駄目だ。私がプレーしているわけではないけれど、とても心臓に悪い。