「それに比べてお前はなあ……」
ワックスでツンツンとセットされていた髪の毛は、被り物のせいで潰れてしまっていた。それを直すかのように彼は髪の毛をクシャクシャといじる。
「こっちは重たいペンキ持ってるの! 零したらどうするのよ!」
「にしたって少しぐらい驚いたほうが可愛げあるぜ?」
「はー? だいたいアンタはすーぐ他クラスに遊びに行っちゃうんだから!それ、どこのクラスの道具よ」
莉奈が指差すと葉月君は、血まみれのグロテスクなマスクの中に腕を入れ、グルグルと回し遊び始めた。
「これ? 大地のクラスから借りてきた!」