少し低めのトーンが、鼓膜を震わす。
「べっつにー」
そう言って座っていたベッドに、背中から倒れこむ。一回だけ小さくバウンドをした体。
「大地が不機嫌な時は大体相川が絡んでるからな~」
「てめ、」
「いつかのお返し」
ちぇっ、と唇を尖らせる。
別にそんなに相川さんの事で不機嫌になったことないし。それに不機嫌なのは葉月のせいだし!
「変な気ぃ起こすなよ」
「・・・なんだよ、それ」
「乱すなってこと」
「・・・別にそんなつもりねぇよ」
平松がどこまで気づいてるのか分からないし、今の『乱すな』って言葉が何を意味してたのか俺には確信が無い。
5人の関係のことなのか。
それともサッカーのチームプレーのことなのか。