◇ ◇ ◇
「よし、今日はここまで!」
クラスの男女が顔や手に様々な絵の具をつけ、賑やかな声が響き渡るクラス。
学級委員長の一声で、皆が各々片付けを開始し始めた。
「文化祭楽しみだね」
「本当! 高二の文化祭はやっぱ特別だよね! 一年生の頃は出来なかった出し物が出来るし、三年生みたいに受験がないから勉強も気にしなくていいし!」
そう笑顔で話す莉奈の頬に緑色のペンキが付いている。笑いを堪えきれず、それを指摘すると。
「美空はちょびヒゲみたいに黒いのついてるよ」
「ええ!? 嘘~恥ずかしい」
異世界カフェをやる事になった私達は、文化祭の準備で放課後は大忙しだ。外装を段ボールに塗ったり、教室内の装飾を作ったり。
大変だけど、それが楽しくてたまらないのだ。
重たいペンキを二人で持ち、廊下にあるロッカーの上に置きに行こうとすると。
「莉奈」