莉奈の言葉にどんどん身が縮まっていく思いだ。
そりゃ進展があれば私だって嬉しいけれど・・・相変わらずメールするとか、5人で過ごすとか、何も変わらない。
「もう“私が日向君の事好きなんだから付き合ってよ!”ぐらいの意気込みでいっちゃいなさいよ!」
「な、なんでそんなに上からなの!」
学年の人気者で、サッカー部のエースの彼にそんな事言えるわけがない。そうじゃなくても、普通の人にでもその告白はちょっと・・・ね。
「あ、もうすぐ集合時間だ」
「バスに戻ろうか」
「あ、まって!あれ世界遺産の一つだよ!」
「え、どれ!」
歩いて戻る途中、莉奈が突如走り出した。私のその後を急いで追いかける。