莉奈が『え、マジで?』みたいな表情をしてくるので、言葉ではなくへへっと笑って返す。もちろんそれは肯定を意味している。 「もー駄目だよ。背番号10番、東高ではエース番号として毎年受け継げられてるの。去年は3年の先輩だったから、今年も先輩が貰うのかと思ってたんだけど」 そしたら日向君だった、ってわけか・・・。 っていうか。 「エース番号!?」 「うわ!声でかいよ!」 それでもそんな大きな声は、バスの中ではかき消されてしまう。バスを走らせて時間は経つが、誰一人寝る人はいない。