各クラスごとバスに乗り込む。バス酔をすると嫌なので、前のほうの席に座る。窓側が好きではない莉奈の代わりに、私が窓側の席に座った。



「隣C組のバスだよ」


左隣のバスに知り合いがいるのを確認する。しかし、日向君や平松君の姿は見当たらない。


「多分あの二人は男子たちがいつも陣取る、一番後ろに座ってるんだよ。葉月みたいにね」


うえーい、と後ろで盛り上がってる男子たちの声が聞こえる。




学校生活1番のイベントと言っても過言ではない修学旅行に、皆心が浮ついていた。


「あ、動いた!」



バスが走り出す。私たちが一番最初に向かうのは首里城だ。



「れっつ、ごー!」


男子の掛け声に、全員が声を上げた。


さあ、作ろう。青春の1ページを。

捲るたびに心が躍りだす、アルバムを。