「(・・・)」
あの日、体育祭の保健室の帰り道。
相川さんが靴紐を結ぶためにしゃがんだ時、ポケットから一枚の紙切れが落ちた。
それを拾うとそこに書かれていたのは『好きな人(異性として)』。
「相川さんの借り物競争の時さ、紙に何て書いてあったの?」
「あー・・・同じクラスの男子、って書いてあったの」
「だから葉月連れてったんだ」
「うん、そうなの」
それを見た瞬間、先程の会話がフラッシュバックされた。
『同じクラスの男子』なんて大嘘で、本当は『好きな人』だったんだ。
つまり、連れてった葉月のことが相川さんは好きなわけで。
「かっこわりぃー・・・」