もちろん瞳が合う事なんてなかったが、彼女が友達と笑う姿を見てるだけで、俺はその日一日幸せだった。


中学時代まで、サッカーに集中したくて、異性に興味何てなかった。


高校だってそう。サッカーをするために、この強豪校への入学を決めた。


だから付き合いたいとか、俺だけのものにしたいとか、そんな感情は一切なかった。


でも、彼女の笑顔をもっと近くで見たいと思ったのは事実。


2年生になって、廊下ですれ違うたびに瞳が合うようになったのは夢かと思った。


吸い込まれてしまうんじゃないかと思う程、彼女の丸い大きな瞳から視線を逸らす事ができなくて、その瞳に映る俺はどう見えているんだろうかなんて思うようになっていた。