ちょうどその時、保健室の先生が戻ってきた。 「あらあらごめんね。ちょうど外に熱中症の子を見に行ってたもんで。怪我したの?」 「あ、もう大丈夫です。手当てしてもらったんで」 そう言いながら日向君のほうに視線を移すと、先生も同じように彼を見た。 「あら、日向君じゃない。さすがね~」 「余裕っすよ」 「そういえば橋本先生から聞いたわよ~。今度の選手権、ユニホーム番号10番貰ったって」 少し照れくさそうに、だけど嬉しそうに日向君は笑いながら髪の毛をクシャリ、触った。 よくやる日向君の癖。