「せんせー」


長いようで短かった保健室までの道のり。ずっと鳴り止まない心臓の音はきっと、私の寿命を縮ませただろう。


「あれ、いねぇや」

「本当だ」


近くにあった椅子に腰掛け、室内をぐるっと見渡すが人一人いない。



「ま、勝手に借りるか。多分軽い捻挫だろうから、とりあえずこの水で濡らしたタオルで汚れ落として、シップ貼るか」


さすが、と言うべきなのだろうか。


手当てにとても慣れているように見えた。迷わずシップと包帯を取り出した日向君。